昨日も仕事だったのだが、日中は暑さで試行錯誤ならぬ思考錯誤の連続であった。そんな時は掛かりつけのバリスタに淹れてもらった熱いエチオピア珈琲をすするのが一番。それも屋外でである。薄っすらと汗を掻いた後は蒸し暑さを感じさせない。そして夜の9時位までは食事を取らずとも軽快に仕事をこなすことができる。それもエアコンが無い室内で、ブラウン管のパソコンモニタ画面に向かって黙々と線を引く作業が…。(室内に風は抜ける)
但し、頑張った分だけ翌日に疲労が持ち越されるので仕事にならない。筆者にとって熱い珈琲を飲む手段とは、暑さのあまり副交感神経が優位になり過ぎて、頭がボーっとした状態に鞭を打つ対症療法でしかないのだ。
読者の皆さんは疑問に感じていると思う。何故、暑さで思考力が鈍った状態でありながら、熱い珈琲を飲むと仕事が捗るようになるのか?
珈琲豆の産地に暑い所が多い。それは珈琲が気候に見合った土地で飲用するのが適することを意味する。暑い場所・暑い時期にしか成らない実や果物には理由がある。自然環境は、生物が暑さを乗り切る為の食物類を与えてくれている。樹に成る実を食することは体を冷やす。土の中に成るもは火を通して食すれば体を温める。
樹になる珈琲用の豆にはカフェインが含まれている。このカフェインが血中内で遊離をすると血管を収縮させる作用があるので血流が良くなる。(血管を川の流れに例えると下流よりも川幅の狭い上流の方が流れが良くなるのと一緒)血流が良くなれば脳に回る血流も良くなるのだ。そこで珈琲を温かい状態で飲用することによって、一層カフェインの効果を高めることができるのである。逆に珈琲を冷たくして飲用すると、冷たいものを取り入れられた体は、体を冷やすまいとして心拍数を上げて発熱をする。冷たいものを飲めば飲むほど、体が熱くて仕方がない。悪循環である。(北風と太陽状態)暑い時には適度に熱い(温かい)ものを飲用することによって、体が体温を下げようとして発汗をしたり、くしゃみをしたりする。(くしゃみは体温を上下させる機能も持ち合わせている。)
自分の体温よりも低いものは飲用しないこと。珈琲が合わない体質の人もいる。できれば緑茶が良いかもしれない。緑茶を飲用するのは午前中とし、午後は麦茶やほうじ茶などのノンカフェイン系の方が入眠に響かない。暑さで頭がボーっとしてしたり、長時間のエアコンの影響下で頭痛になった場合は、ノンカフェイン系でも熱いものをすすることによって体が温まり、血流が良くなる。 ちなみに長時間のエアコンの影響下で頭痛になるのは交感神経緊張持続型の場合が多い。(緊張で体温を維持)腰→肩→首→後頭部までに血流障害が起きているのだ。
夏場のエアコンが効いたコンサート会場内で音楽家の方から設定温度を上げる要望があった時は、交感神経緊張持続状態による血流障害が生じている。その場しのぎとして、温かいものを飲用すると若干緩和されるのでお試しあれ。(カフェイン系は更に緊張を高めるので除くこと)また、夏でも緊張癖のある音楽家の方は、腰の両側にホカロンを貼っておくと良い。腰の冷えは巡り巡って腕と手、そして指先まで伝わる。音楽家にとっても体を冷やすことは、好ましいことではないのだ。
筆者から見て、若い音楽家の信じられない行為をひとつ挙げてみよう。コンサートで自分の出番が終わり、客席に着座をしている時に上着を羽織らない方がいる。音楽家としての寿命を縮める恐ろしい行為である。野球のピッチャーでさえ、マウンドを降りてベンチで待機している時はジャンバーを着用している。冷えによる血流障害が筋肉組織の修復と再生に影響を及ぼすことを痛感しているからである。
総括
体を冷やすことは体のためにならない。これに限らず余計なことにエネルギーを費やすということは、それに比例して注意が散漫になるということである。大事な局面において注力を発揮できるようにしよう。
そのようなことで「暑い日には熱い珈琲が一番」は以下のように改めることにした。
暑い日には熱い麦茶か、ほうじ茶が一番