いったい梅雨は何処へ行ってしまったのだろうか?
こんなことが2~3年も続くと、世間から梅雨という話題が無くなってしまうかもしれない。それならば、あえて梅雨らしい話題を取り上げてみたいと思う。
雨の日に、人と人とが路地裏の狭い道で対面通行をするとしよう。すれ違い様に、自分の傘から放たれた傘露が相手に掛かってはならない。そのような場面では、相手の方向とは逆向きに自分の傘を傾けてみよう。すると傘露が傾けた方向へ流れ落ちて行かないだろうか…
この仕草は相手を傘露で濡らさないという配慮である。見知らぬ人と言葉を交わすことなく、会釈もすることなしに相手へ気配りができる簡単な「江戸しぐさ」である。江戸時代、それも江戸の下町の風習が今も尚受け継がれている。
お若い方通しがすれ違えば素敵な出逢いに恵まれるかもしれません。コツとしては傘を傾けて上がった方向の傘先に目を向けて、傘露があなたに振り掛からぬ様、配慮をしていますよ…という雰囲気を相手に伝えることでしょうか…。
そうでないと相手から「どちら様でしたか?」と不可思議な顔をされるだけである。
さて、この雨の日の江戸しぐさ、すれ違い様だけではなく、追い抜き様にも応用ができる。自分の後方から歩行して来る人とは明らかに自分の歩幅と歩行速度が異なる。それならば後続者を先に抜かしておしまい。
自分が追い抜かれる間際を見計らって少し端に寄り、歩行速度を落とす。そして少し道幅を広げて、傘を斜めに傾けてあげれば、後続者は追い抜きがしやすい。その上、傘露を振り掛けることもなかろう。
無言でありながら、相手に意思表示ができる「現代風の江戸しぐさ」がここにある。念の為、追い抜き様に後続者様が振り向かれたならば、「お構い無く、お先にどうぞ…(歩きスマホではありませぬ。)」という表情でニッコリしておきましょう。
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