今回のブログは事後報告染みている。実は下書きを作ったまま失念していたのだ。筆者にはよくあること。ブログの下書きは50近くあるのだが、結構××な話題が多いのでボツにしてある。歳を取るということは寡黙になるということかもしれない。今回のブログは××な話題ではないので、今更ながら取り上げてみた。
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毎年続けて7年。今年も自家製梅干し作りの季節到来。ネットで予約注文をしていた梅が届いたので梱包してある箱の中身を確認する。
画像のとおり無農薬栽培の梅なので傷やシミが多い。そうは言えど雨が多かった昨年の梅よりは状態が良いだろう。ここで一旦、梅が入った箱の蓋を閉める。梅を箱から出す前にやらなければならないことがあるのだ。
まずは予め購入してある自然海塩に火入れをして、塩に含まれた湿気を取る。フライパンの中に塩を入れ、火入れすることによって、塩がサラサラになってきたらガステーブルの火を落とし、塩の熱が冷めるのを待つ。その間に梱包箱に入った梅を取り出して水洗いをする。その時に竹串で梅の黒い蔕(ヘタ)を取り出す。水洗いをした梅は水切りをし、乾いた綺麗なタオルで水分を取る。タオルは2枚用意して2度拭きをするのがヨロシイ。底には先ほどの火入れをした塩を敷く。梅を横に均一に置いて行き、1段おきに塩を振って行く。最後は安い食卓塩をポリ袋に入れて重石代わりに乗せ、蓋をしてお仕舞い。
翌日くらいから序々に梅酢が出てくるので、そのままの状態で梅雨明けまで置いておく。
梅雨が明けて、3日間晴れが続きそうな日にガラス容器の中から梅を取りだし、干し網籠などに入れて3日間天日干しする。
干し終えた梅干しは清潔なガラス容器に入れて、常温の暗い場所にて3年間熟成させる。3年後はまろやかな梅干しが完成し、食卓にお目見えと言ったところであろうか…。梅の数を数えたら108個だった。単なる偶然だと思うが、1年掛けて108個を食べることに意義があるかもしれない。
塩はミネラルが多く含まれている高価な自然海塩を使い、最終的には塩度30%の梅干しの完成を目指している。ミネラルが失われた食卓塩(NaCl)は使っていない。だから食べても塩辛くないし、喉も乾かない。ちなみに食卓塩(NaCl)で漬けた塩度30%の梅干は食べられたもんじゃない。食卓塩(塩化ナトリウム)の量が多い料理を食べた後に喉が乾くのは何故だろう? このことを読者の皆さんはご存じであろうか…。 ちょっと勉強をすれば誰でも判ること。それを知れば世間で塩分の取り過ぎが体に良くないと言われている塩は何だか一目瞭然。取り過ぎて良くない塩分とは塩化ナトリウム(NaCl)のことである。
塩化ナトリウムを料理に使うことの利点は2つある。1つは味の均一化である。同量を保つことにより料理の複製が容易となる。もう1つは料理の旨味を引き立てることである。その一方で自然海塩にはミネラル成分や含有量にバラツキがあるので味の均一化が難しい。料理を作る者の腕次第と言ったところであろう。ちなみに味は、均一化されていない方が飽きは来ない。
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こちらの画像に写るのは2012年に作った梅干しである。一口食べるとこんな表情になる。
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2013年仕込みの梅干しのことである。海洋深層水から作った自然梅塩で梅干しを作ったら、3年後、塩が大きな結晶化を遂げて梅干しの中に入っていた。何とも素晴らしい。
炊き立てのご飯の上に乗せて食べる自家製の梅干しは美味い。きゅうりと人参と大根のぬか漬け、小松菜のおしたし。そしてワカメとネギの入った味噌汁。食卓の上に飾るのは、これで十分ではないだろうかと思う。これはあくまでも外食が多い人向けの献立である。
【余談】
野生の猿は海の塩水を飲まないし、舐めもしない。その代わり時折、海岸沿いの岩場に付着した塩を舐めている。塩の旨味は均一化されていない方が飽きない。野生の猿は何が美味いかを知っている。誰に教わった訳でもない。
【一張一弛】
精製塩であっても自然海塩であっても、塩の取りすぎは良くない。塩を取り入れるタイミングと塩を抜くタイミング、そして塩加減が大事である。それと同様に、勝負事にも押しの一手と引き際のタイミングを見極める必要がある。また、加減も大事である。色々な面で、この夏思うように結果が出せなかった方は塩の入れ方が足りなかったのでなかろうか…。気合を入れて本番に臨みたい時は、直前にカラカラの梅干しをひとかじりしてみよう。
※塩のことをもっと知りたい方はこちらのリンク先へどうぞ。
・「塩百科」公益財団法人 塩事業センターへリンク