筆者の脳に癒着したもの

昔、私の演奏会の師匠は仰られていた。「フランス人はドイツものを上手く弾けるのに、ドイツ人はフランスものを上手く弾けないだよな~」 そのお言葉が呪縛のように脳の表側へ腫瘍(髄膜種)となって癒着している。癒着している腫瘍が良性か悪性かが判らないならば取るに越したことはない。心にゆとりが無い時の筆者は、このように安易な判断をしたりする。

 

心配な腫瘍は取ってしまえば、後の心配に及ぶこともなかろう…。腫瘍が発生するには必ず原因がある。その原因を探って根本的な処置をして行けば、いずれ腫瘍は自然退縮して行くだろう。

 

さて、ここからが主文の始まりである。「日本人ならば、いかがなものだろう。師匠の発言の根拠となる資料を集めてみようかな…。」そう思いながらフランスものに片寄ったプログラムで、コンサートを盛会に繋げる為の秘策を練っている。

 

そんな時、星の巡り遇わせであろうか…。ツキが巡って来た。筆者の研究に多大な影響を及ぼすであろう素晴らしいコンサートを発見したのだ。本当は内緒にしておこうと思ったが、口が滑ってしまうところに筆者の至らない点がある。ここは是非とも素晴らしいコンサートを読者の皆さんに推奨したい。奏楽堂のイスは硬くてお尻が痛くなるので苦手だ。それでも筆者はエアークッション持参で足を運ぶことにした。

 

ピアノ・シリーズ2018 音楽の至宝 Vol. 6 GEIDAI meets TOHO
~藝大ピアノ科と桐朋弦楽科教授陣によるフランス室内楽の午後~


2018年10月8日(月・祝)14:00開演(13:30開場)

東京藝術大学奏楽堂(大学構内) 

※公演情報へリンク

 

【曲目】

ドビュッシー:ヴァイオリンとピアノのための《ソナタ》   
ヴァイオリン:加藤 知子 ピアノ:迫 昭嘉
 
ミヨー:《4つの顔》作品238                 
ヴィオラ:佐々木 亮 ピアノ:津田 裕也
 
ミヨー:2台のピアノのための《スカラムーシュ》作品165b         
ピアノ:有森 博 東 誠三
  
ラヴェル:ヴァイオリンとピアノのための《ツィガーヌ》   
ヴァイオリン:久保田 巧 ピアノ:江口 玲
  
ラヴェル:2台のピアノのための《序奏とアレグロ》        
ピアノ:坂井 千春 青柳 晋
  
ドビュッシー:チェロとピアノのための《ソナタ》      
チェロ:長谷川 陽子 ピアノ:青柳 晋
 
フォーレ:《ピアノ五重奏曲第2番》 ハ短調 作品115              
ピアノ:伊藤 恵
ヴァイオリン:加藤 知子 久保田 巧
ヴィオラ:佐々木 亮 チェロ:長谷川 陽子

 

★びっくりしゃっくりのおすすめはフォーレ:ピアノ五重奏曲第2番。 


【余談】

今年の日本音楽コンクール本選において、ピアノ部門とヴァイオリン部門の顔ぶれを知った筆者は驚きを隠せない。何故、この二部門だけを余談に取り上げたのか筆者にも判らない。今年もピアノ部門は当日券が出ないと思う。(probably) 是非とも近々にチケットをお求め下さいませ。


建前よりも本音が前に出てならないと思いつつも、言動の脳と行動の脳は別ものである。やはり筆者の脳に癒着したものは取り去るべきであろうか…。腫瘍の正体は「凝り固まった考え方」かもしれない。そんな時は庭の草むしりが一番である。


「筆者の脳に癒着したもの」と上手に付き合って行きたいと思う。
(-.-)

第1楽章のヴィオラに気品と奥行きがあって好きだ。やはりカルテット、クィンテットを問わず、ヴィオラは要かな…。室内楽で弾くP.ロジェのピアノがこんなに素晴らしいとは思わなかった。(あくまでもフランス音楽、デジタル音源上での私見)



イザイ四重奏団(Ysaye String Quartet)------------------

フランスの弦楽四重奏団。1984年に結成。

名称はウジューヌ・イザイが19世紀末に創設した弦楽四重奏団にちなむ。
ドビュッシー、ラヴェル、フォーレなどフランス音楽の演奏で知られている。

Ysaye String Quartet
Guillaume Sutre & Luc-Marie Aguera, violins
Miguel da Silva, viola
Yovan Markovitch, cello

★びっくりしゃっくりがフルコンサートを行うならば、曲ごとにヴァイオリンの第1奏者と第2奏者を入れ変えする。この方が仲良しカルテットとして長続きすると思う。和が大事であろう。それと、くどいがカルテットの要は内声、それもヴィオラである。

(-.-)

Ⅰ. Andante espressivo - Allegro molto moderato
Ⅱ. Assai agitato
Ⅲ. Adagio molto
Ⅳ. Finale. Allegro molto vivace


【補足】

髄膜腫をお知りになりたい方は→こちらのリンク先へどうぞ